1章 入部

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それから毎日、1日が24時間だと、圧倒的に足りなくなった。 あの学校の名前は私立楠木音楽学園と言うらしい。私立なので親の許可をとるのも大変だった…と思いきや案外あっさり了解してくれた。それよりもむしろ、問題は… …私は勉強が出来ない! どうしようもないので泣く泣く夏夜に抱きつき、勉強を教えてもらう。 勉強とは、主要五教科+音楽だ。 「じゃあ、とりあえず音楽だね。この記号、何て読むかわかる?」 そういうと夏夜はノートに f と、書いた。 「えっと…エフ?」 「…うん、英語が読めただけ偉いわね。」 と言って頭を撫でてくれた。 えへへ…と、夏夜にすりつくと、 「でも答え違うよ?」 と一言。 「ここの答えはフォルテ。フォルテは強さのことで、他にもmf、ffとかがあるんだよ。」 「へー、そうなんだ…」 知れば知るほどおもしろくなってくる。私は音楽の勉強を夢中でやった。 …そう、音楽の勉強を。
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