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プロローグ
静かな室内に、規則正しくパソコンのキーボードを打つ音だけが響いている。
その心地よいスピードの音は、それを打つ人物がパソコンの扱いに慣れていることを知らせていた。
細く綺麗な指によって、ディスプレイには文字が流れるように打ち出されていく。
『この前の戦闘にて負傷者あり。
未だに完治はせず。
あの子に傷を負わすとは、
敵の力があがってきているのだろうか?
さらなるデータ収集の必要性あり。
そして、本日付けで新しいメンバー増員予定。
新たなデータ対象者として重点的にチェック』
そこまで打ち終えると、その人物はぴたりと指の動きを止め、時計に目をやった。
「ん、そろそろ時間ですか。遠藤浩太郎……いいデータが採れそうですね」
そう呟くと、パソコンの電源をおとし、そのまま部屋をあとにした。
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