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鴉は賢いと言われている。
その通りだと痛感する。鴉の声が聞こえる特異体質の僕は、よく彼らの井戸端会議を盗み聞きしている。人間をよく観察していて、とても面白い。
その日、電線上に来て鳴き始めた。話題はなんと、僕がひそかに気にしているあの娘だった。
「大丈夫かな?」「大丈夫かね?」
「Yさん家に知らない男が刃物持って入っていったね。今あそこは女の子独りだろ?」
何だって?!僕は放たれた矢のように彼女の家に走り出した。
「行ったね?」「行ったな」
「よく分からん。なんであの娘は、あいつの前でこんな話をしろなんて言ったんだ?」
「消したいそうだ。同じ能力者は二人も要らないだってさ」
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