キミよりシロミ。

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「うぐっ」  それからこれまた冷凍庫からひっ掴んできたアイスキャンディーとアイスクリームを男の子の首のとこにひっつけて──。 「──冷たっ……」 「我慢して。とにかく冷やさなきゃ。キミ、めっちゃ顏赤いかんね?」 「……あれ、キミ、見た事ある、ような──ぐえっ」 「あ、ごめん。苦しかったか」  アイスを挟んだままタオルで固定しようと締め過ぎたので緩める。 そして傘を差した。  黒い傘の影に、私と男の子。 ペットボトルを逆さまにして勢いよく飲まれていくスポーツドリンク。 どれだけ乾いていたのか。  日差しの向こうが少し揺れてる気がする。 暑さのせいだと思う。 黄色い世界に青い空が鬱陶しい。  すると男の子はまだぐらぐらしているようで、私はその肩を引き寄せた。
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