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蘇る去年の冬の昭和ドリーム
実家からは通えない辺りにある県内の大学に進学した後、最初の目論見どおりにダラダラ過ごして迎えた最初の冬のことだった。
前日の夜更かしで大幅に失った睡眠時間をぬくぬくとした朝寝で取り返そうとしていた僕は、煎餅布団の枕元に置いたスマホの着信音で目が覚めた。
そんなことで起き上がる僕ではない。
秋月雄偉。19歳。
自分で言うのも何だが、将来何をする気もないまま大学の4年間を過ごすと決め込んで開き直ったオタクだ。
キモオタと言いたい奴には言わせておけばいい。
そもそも、そこまで言ってくれるほど付き合いのある友人は心当たりすらない。
ましてや彼女なんか、どうせできはしないのだ。
やりたいことができる時間を有効に使わせてもらう。それだけだ。
だから夕べの夜更かしも、固く決めたポリシーを実行に移しただけにすぎない。
長いこと待ってようやく復刻された特撮SFロボットもののDVDボックスがようやく手に入り、僕は抱いて寝たい思いをぐっとこらえて封を切り、第1話から一気に見てやったのだ。
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