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オタクの秘密組織うごめく
その日の放課後になっても、僕は教室の黒板側にあるに残って凪原が取り巻き連中と何を話すのか気になっていた。
それとなく耳をそばだてていたが、彼女はもう70年代ネタを口にはしなかった。
5時間目にあれだけドン引きされたネタだから、控えるのは当然だろう。
そう思って帰ろうとすると、教室の出入り口の外から、真坂幸平が首だけ出して目くばせした。
カバンを持って、黒板から遠いほうの扉を開けて外に出る。
真坂は僕の前を通り過ぎて、昇降口へと向かう階段がある方へ廊下を曲がっていった。
追いつくことができたのは、校門を出たあたりだった。
「これ見ろよ」
真坂がカバンの中からごそごそ取り出したのは、一枚のリーフレットだった。
どう見てもパソコンで合成したのをプリントアウトしたとしか思えない荒い画像。
だが、それは明らかに70年代アニメ『商人戦隊ボルタック』のものだった。
「もう出来たのか?」
真坂は答えもしないで、マスクをつける。
こんな季節だから不自然ではないが、別に風邪をひいているわけでもインフルエンザ予防でもない。
行こう、とささやきながら、真坂は伊達眼鏡をかける。
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