<第三章> 転生先選び

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再び何になりたいか、考えるのだが、どうにも浮かばない。 そもそも、前世の記憶というのは受け継がれるのだろうか。つまり、僕の人格は転生後に受け継がれないのだとしたら、昆虫を食べる生き物になりたくないだとか、昆虫になりたくない、という考え自体が無意味だ。 その辺りを確認しようと口を開きかけた時、蟻の王がピクリと動いた。そして言う。 「ふむ…間に合ったか。 済まぬ。どうやら、事情が変わったようだ」 「どういう事でしょうか」 蟻の王の表情は、よく分からない。しかし、どことなく嬉しそうだった。 「貴殿の人生に、幸あれ」
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