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「えっ、二人きりになったのに告白しなかったんだ?」
次の日の朝、ホームルームが始まる前の時間。
教室から出ていった後のことを案の定、千花が私に尋ねてきた。
そしてありのまま話した私へ千花がかけた言葉がこれだ。
「折角のチャンスだったのに無駄にしちゃったの? 七海」
「無駄って……千花」
「だってそうでしょ、一緒にいられる時間なんて限られてるんだよ。あと一年もしないうちに部活も終わっちゃうし」
今日の千花の声は、特に力がこもっている。
「はぁ……。ずっと片想いしてて七海は満足なんだ? いつまで三浦くんがフリーでいるかも分かんないのにっ。てか、もう彼女がいるかもね」
最後は溜め息を吐き出しながら放った千花の言葉に、私は思わずドキリとした。
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