ホントはね・・・

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 ファイト、かぁ……。 たしかに私は高校に入学した時から三浦くんのことが好きだった。 もっといえば、隣の中学校の生徒だった彼が、親善試合で、時々うちの中学に来ていた頃からかもしれない。 あの頃、帰宅をするために校庭を歩いていた私と、グラウンドへ向かう三浦くんたちとが偶然ぶつかったことがあった。 その拍子に反射神経が鈍い私は、バランスを崩し地面に膝と手を着いてしまった。 『ごめん。俺らが悪い。大丈夫か?』 『あ、……大丈夫……』 たったひとこと交わした会話だったけれど、試合直前ということもあって急いでいたはずの隣の中学校のサッカー部の部員の中で、三浦くんだけが無視をせず私に伸ばしてくれた手を、今でも忘れていない。 ───なんだか胸がドキドキしたことも。 その話を高校二年生の今年、親友になった千花にした。あれからずっと三浦くんのことが気になっていることと一緒に。 すると千花は、私に中学生の時から想い続けている男の子がいた事実に驚いたのか、次第に目を大きく広げた。 「もうそれって運命じゃん!」 そう言って私の肩を、パシっと勢いよく叩いたあとで。 「なら絶対に頑張らなきゃね、七海!」 しっかり鼓舞したんだっけ……。 と、そんなことを思い出していれば、 「早く行かねぇと、監督に先を越されるぞ」 「竹内先生が?」 「ああ、さっき廊下を歩いてんのを見たからな」 「えっ」 突然、三浦くんが恐ろしいことを言い出した。
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