メッセージ

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母と医者が深刻そうな表情で何かを話している。 どうやら、検査の日取りを決めているようだ。 医者と看護師が病室から出て行くと、母が私の手を握った。 「さぁちゃんっ、さぁちゃんっ」 どれだけしっかり握られても、そのぬくもりさえ感じることができない私の手を握り、母がぼんやりと開いた私の目を覗き込む。 私は真っすぐに母を見る。 すると母の目からは、たちまちのうちに涙が溢れこぼれた。 (あー、私・・・、最悪・・・・・) 母の涙を見ていたら、無性に悲しくなって自らの目にも涙がたまった。 寝ているせいで、涙は瞳の上にもかぶり視界が歪む。 そしてすぐに溢れた。 それでも自分で涙をふくことさえも出来ずに、涙はただ溢れては零れを繰り返すばかりだ。 母が泣きながら、私の涙をハンカチでそっと拭った。 「大丈夫。 きっと、よくなるから、よくなるからねっ。 さっき、お父さんにも連絡したし、康介にも連絡したし・・・。 ふたりとも、夕方には来てくれるからね」 病室の温度は一定で、寒くも暑くもない。 自分がどれだけの間、寝ていたのかも見当がつかなかった。 そもそもこんなに動かない体で、寒さや暑さを感じることができるのかさえ分からない。 さっき目覚めたばかりなのに、私の瞼は徐々に重くなる。     
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