わたしがしんだりゆう

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タダノシカバネノヨウダ■ 入江秀成と酒を飲みに、基本ビールとかシードルとか出すお店で、入江はかけつけ一杯にシャルドネ。それからシャルドネ2杯に何故か八海山を呑み始め。入江はただの屍のように酔いつぶれている。 いつもは、半地下のこの店は窓辺からタイヤとホイール、ヘッドライトが見える場所があって、そこでよく自分のフェチを酔いと共にぶちまけるのが常なのに… ソーセージをかじり、白ワインで流し込む。 ぼんやりと、赤ワインでガッツリした肉料理もいいな、と思った。 「…オーイ、秀。何くたばってんのよ、何かあったか?」 入江はチェイサー代りの水を一口飲んで 「グランツのテールライトデザインが変更だってー!?」と、叫びおいおいと泣き始めた。 めんどうだが、非常に面倒だが自動車をこよなく愛すこの男にはよくある事だった。 「そっかー、まぁ、他社のマイナーチェンジだろ?泣くな」 ウグウグと呻きながら酒をあおる。 今日は、いや、今日も俺は入江を家に届けなければならないらしい。
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