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最初に立ちはだかる影4つ。ついさっきいなくなった子達なんだ。さっそく登場するとはずうずうしんだ。
なんとか立ち位置を調整して1対1の状況を作りつつ、1体ずつお札で始末していく。コッチは移動範囲に制限があるからかなり不利ではあるんだ。向うも囲もうとか思考を駆使する様子もないので何とか迎え撃つことができたんだ。
叫び声を挙げて消えていくけど成仏できたんだろうか。たぶんここで死んだ時点で成仏できなさそうだけど、何かからは開放できたんだと思いたいんだ。
ここで動きがあったんだ。少し年季の入った後陣のグループは集まり始めたんだ。集合体になって1つの巨大な影になろうとしてたんだ。
まるでテレビの特撮みたいなんだ。でも僕はこれを指を咥えて見ている趣味はなかったんだ。テレビじゃあ盛り上げるために変身が完成するまで待つのがセオリーだけど、ここじゃあ関係ないんだ。僕は集まりつつある中心点にお札を差し込んでやったんだ。
効果はあったようで。変な案配に合体が阻害され全員中途半端な状態で動きが鈍っているんだ。所詮は子供の浅知恵なんだ。
これは突破するチャンスなんだ。お札も使わずにすむし。僕は蠢く塊を無視して出口を目指したんだ。するとガシッと腰が後ろから締め付けられたんだ。
たたらを踏んで何とか堪えたけど。なんと蟹バサミを仕掛けられたんだ。この靴はキヨシ君。確かコイに食べられてたんだ。下半身だけは影響受けずに喰らいついてくるとは。
忌々しい。お札を使うと足が消えていったんだ。すると今度は後ろから太い手で足を靴ごとつかまれたんだ。どうやら上半身だけ完成する暇を与えてしまったみたいなんだ。
お札でも簡単には消えないんだ。さすが集合しただけのことはある。でも手が緩んだ隙を突いて靴を脱ぎ捨てて走っていったんだ。
その安全靴で良かったらあげるんだ。心の中で言ったんだ。
こうして追撃を振り切って出口に辿り着けたんだ。
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