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思い出される先生との日々。
「じゃあもうこれでおしまいだね。」
そう言うと同時に私も先生もバックの中を漁り始めた。
「お互い考えることは同じだね」
そう先生は言った。
「先生。今までありがとうございました。」
そう言って私は紙袋と手紙を渡す。
「こちらこそ。」
先生もわたしに何かが入った袋と手紙を渡した。
言いたい。先生が好きって。会えなくなるなんて嫌だ!私は今にも泣きそうだった。
そう思っていた私の方を見て先生は言った。
「湿っぽいのは嫌いだよ。」と。
その言葉に私は泣かないでと言う意味と、好きなんて言うなよと言う意味の二つが感じられた。
私はもう「ありがとうございました。」
その言葉しか言うことができなかった。
先生が塾を去ってからもらった手紙を開いた。
書かれていた言葉に私は泣かずにいることは出来なかった。
やっぱり好きです先生。
「お互い考えることは同じだね。」
ほんとですよ。先生。同じキャラクターの便箋を使うだなんて。
言えなかった気持ち。言うことが許されなかった気持ち。
その思いは今も私の胸に残ったままである。
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