喋る死体

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「ありがとうございます。嫌なことを引き受けてくださって。で?何がわかりましたか?」 「彼女は、ある男に頼まれて、お前を殺したようだ。」 「ある男?」 「そうだ。どうやら、相手の男も研究員らしい。それも、彼女の上司のようだ。」 「そうですか。だいたい想像はつきます。」 「恨まれてたのか?」 「妬まれていました。彼は僕の研究の成果をさも、自分の物のように発表しました。」 「なんでそれで妬まれなきゃならないんだ?お前の研究を横取りしたんだろ?そいつ。」 「ええ。でも、それは僕の危機管理能力のなさと、彼を安易に信用したがための結果です。」 「まったく。お前はどこまでお人よしなんだよ。」 「だから、僕は、次の研究を密かに進めていました。彼は、次から次へと僕がめげずに研究の成果を出すことを以前より快く思っていなかったんですね。」 「自分の無能を棚にあげておいて。そいつはクズだな。」 「同期だったので、彼のことをどうしても憎めなくてね。でも、まさか僕を殺しに来るとは。しかも、最愛の彼女を使って。」 「なんで、お前の彼女は、上司に頼まれたからって、恋人のお前を殺したんだろう。」 「彼女自体が僕の研究であり、彼の成果でもあるからです。」 「は?」 「彼女は、僕が作った人造人間だからです。」     
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