2人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょ、ちょっと待って?頭の中が混乱している。」
「彼女は、超高性能AIで、しかも肉体は人とほぼ変わりない成分でできています。」
「うそ・・・。一度、気になってどんな女か見に行ったことがあるけど、人間にしか見えなかった。」
「僕らは、そのAIに感情を持たせる研究をしていましたが、どうやら感情を持たせることはできなかったようですね。僕は、てっきり彼女に感情が宿ったのだと勘違いしていました。愛していたのは、僕だけだったようで。」
「・・・」
「僕が次に研究していたのが、量子の研究で、物体の瞬間移動と魂の量子化の研究です。」
「話が難しくて、よくわからないんだが。」
「実は、僕、幽霊なんかじゃないんです。すでに、研究のほうは成功していて、魂を量子化し、遺伝子を未来に転送済みなんです。」
「へ?」
「だから、僕の肉体は朽ちてしまいましたが、未来から魂を通してあなたに語り掛けていたのです。」
「じゃあ、崇は、もう未来に存在しているわけ?」
「ええ。そして、彼女は残念ですが、僕の肉体がこの世から消えてしまうと、彼女も消えてしまいます。」
「なんでそんなことになるんだ?」
「彼女の肉体自体が、僕がサンプルになっているからです。」
「マジか。」
最初のコメントを投稿しよう!