喋る死体

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「ちょ、ちょっと待って?頭の中が混乱している。」 「彼女は、超高性能AIで、しかも肉体は人とほぼ変わりない成分でできています。」 「うそ・・・。一度、気になってどんな女か見に行ったことがあるけど、人間にしか見えなかった。」 「僕らは、そのAIに感情を持たせる研究をしていましたが、どうやら感情を持たせることはできなかったようですね。僕は、てっきり彼女に感情が宿ったのだと勘違いしていました。愛していたのは、僕だけだったようで。」 「・・・」 「僕が次に研究していたのが、量子の研究で、物体の瞬間移動と魂の量子化の研究です。」 「話が難しくて、よくわからないんだが。」 「実は、僕、幽霊なんかじゃないんです。すでに、研究のほうは成功していて、魂を量子化し、遺伝子を未来に転送済みなんです。」 「へ?」 「だから、僕の肉体は朽ちてしまいましたが、未来から魂を通してあなたに語り掛けていたのです。」 「じゃあ、崇は、もう未来に存在しているわけ?」 「ええ。そして、彼女は残念ですが、僕の肉体がこの世から消えてしまうと、彼女も消えてしまいます。」 「なんでそんなことになるんだ?」 「彼女の肉体自体が、僕がサンプルになっているからです。」 「マジか。」     
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