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なにに使うのかわからないが、自分の服のサイズを記入する欄もある。
グループ参加の場合はどの程度の親密さかを書かなければいけないようだった。
友人は個人で参加したいというので、僕自身も友人に倣って個人参加で応募をした。
締め切り後、友人が教授にどれくらいの応募があったかを尋ねてみたという。
今回初の試みにもかかわらず、応募者数は3桁を軽く超えたらしい。
どうせ駄目だろうと漠然と考えていたころ結果が届いた。そのメールには「おめでとうございます。あなたは本当の孤独に選ばれました。」と書いてある。
当選したのだ。
注意書きには、孤独を味わうために重要な事項が書いてあった。
【声を出すこと】
【人を感じること】
【外部との接続機器は持たないこと】
この3つだけだった。あとは指定された日時に会場に向かえばいい。
個展に行きたがっていた友人に当選を告げると行きたがってはいたものの、その日は抜けられない用事があるらしく僕に行けと促した。自分が行けると決まってからは、個展までの毎日が楽しく感じた。
いよいよ当日になると、言い得ない緊張感があった。会場は貸出店舗の中に真っ白な大きなパネルで箱が作られていた。
「皆さんはこの中に入って頂きます。まずは挨拶を済ませてください。」
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