0人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は個人応募しているため、グループの1人1人と挨拶を交わす。総勢6名の仲良し集団である。それを終えると教授は全員に向かって個展の内容を説明し始めた。
「この中で皆さんには半日過ごして頂きます。本当の孤独を味わうのは、個人で応募してくれた君。じゃあ荷物を全て預けて、先にその青いドアから中に入って。中に入ったら僕は鍵を閉めるから、もし無理だと思ったら構わず言ってくれ。他の皆さんは彼が中に入ったあと説明します。」
教授に言われるまま、僕は箱の中へと入っていった。そこは4畳くらいの狭いスペースで上も下も真っ白だ。
「後ろを向いているから、このシャツに着替えて下さい。ズボンもです。」
そう言って渡されたのは真っ黒なセーターと、真っ黒なスキニーパンツだった。
応募に服のサイズが書いてあったのはこのためだと理解した。
着替え終わると、中の説明をしてもらう。
「君の声は4面に隠してあるマイクから、外に聞こえるようになっている。また、天井を見てくれ。」
見上げた天井には、白く塗りつぶされているがスピーカーが付いている。
最初のコメントを投稿しよう!