第7章 君は特別な贈りもの

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もともと見せるプロでもなんでもないですし、何か誤解があるみたいだけど。人前に肌を晒してはいるけど、それは美に報酬を頂いてるのとは全然違うから。むしろお腹のすいたおじさんたちに餌を与えてるっていうか。彼らは何でもいいんですよ、とにかく空腹だから。ちょっとでもエッチな要素さえあれば、ど素人のそこそこの身体で充分。 一応さすがにむだ毛のお手入れくらいの常識的な最低限のことはしてるけど。多分尋ねられたのはそういうことじゃないよね。 「ほんとに、無頓着というか。そのまんまで。考えてみたら恥ずかしいです。よくこんな程度のもの人前に出そうとか思うよなぁ、成り行きとはいえ…」 「そうすると、本当に天然に自然の状態でこれなんだね。本物の女の子って。改めてしみじみ見ると。…すごいなぁ、って」 どこがだ。 口から出てくる雑談はいい加減だが、目つきはプロの鋭さを滲ませつつ彼はさらさらと手早く鉛筆を動かしながら尚も言葉を継いだ。 「このライン。曲線。…抗えず自然と目が惹きつけられる。そういう風にできてるんだなって。なんて完璧に作られてるんだろう。…こんなの。人間の脳が苦心惨憺して創り出して捻り出したものなんか」 彼の目線がわたしの脚をなぞるのがわかる。図らずもほんの少しぞくっ、となった。 「…どう考えても。敵うわけ、ない…」 …買い被りすぎですよ…。     
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