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大学生活の四年間は、人生で一番、自由で楽しい時間だと思うよ。
電話の向こうで、一番上の兄貴が笑っている。だから、おまえも楽しめよ、なんて。人生の先輩面で。
……あぁ、そりゃ楽しかったんだろうよ。
心の中で悠生は盛大に毒づいた。そりゃ、楽しかったんだろうよ、あんたは。
なんせ、大学在学中に出会った演劇にのめり込んで、それまでのエリートコースからドロップアウトして。それで、そのまま演劇の世界にとぶんと飛び込んだんだもんな。
あんたが好き勝手に人生を謳歌したおかげで、俺がどれだけ面倒を被ったと思ってるんだ。
そんなことを考えていたら無性に腹が立ってきて、無言で通話を打ち切った。
どうせ、義理でかけてきた電話だ。一人暮らしを始めた末弟に、大学の入学祝いも兼ねて一声かけておこうと考えただけ。あいつが可愛がっているのは俺ではなく、二番目の、これまた俺に重しを押し付けて出ていった兄貴だけ。
案の定、それ以降、電話は一度も鳴らなかった。
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