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惹かれあう独りと独り
「なー霧夜ぁ、テストまたいつも通りだった?」
今日は期末テストの返却日。5科目全部のテストが返ってきた。そして、各科目の点数をまとめた一覧表には、ご丁寧なことに合計点数だけでなく、各科目のクラス順位も出ている。
「まあいつも通りと言えばいつも通りかな」
そう言いながら、ついさっきもらった点数一覧表を取り出す。
氏名:新中霧夜
国語:90点(2位)
数学:82点(6位)
社会:88点(3位)
理科:80点(4位)
英語:84点(5位)
合計:424点(3位)
うん。いつも通りだ。
「は~~、俺もそんな点数取っていつも通りとか言ってみたいもんだわー」
天を仰ぎながら僕の友人の一人、入江綾斗は僕に皮肉っぽくそんなことを言ってくる。
「いやいや……そんなこと言って綾斗は英語100点でしょ?」
なんだかテストが全然できなかったかのように言っているが、綾斗は両親がどちらも英語教師なのもあり、英語だけはありえないほど点数がいい。もちろんスピーキングやリスニングの能力も申し分なく、英語だけなら僕に負けることは絶対ないとまで言ってみせたくらいだ。
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