惹かれあう独りと独り

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 熱いものは、止まらなかった。ただただ、寂しかった。今まで寄り添ってきた家族が、心からもいなくなってしまったような気がして、たまらなく寂しかった。  だけど、嬉しかった。死ぬまで愛してくれた家族みんなは、今でも愛してくれてるんだなって思えた。愛が重荷なんて、お母さんたちが聞いたら怒るかもしれない。 「……決めたよ、お母さん」  景色は滲んだままだったけど、心は晴れやかだった。私は、前を向く。そして、生きる意味を、これからの私の人生を、私自身がつくり上げるんだ。 「私は新しい居場所を見つけるよ。そして家族にもらったこの愛を、誰かに分けてあげたい。独りでさまよってる誰かに、私は寄り添いたい」  そうして、私は前を向いた。私がここで生きるために。生きてくれてありがとうって、またいつか、お母さんと再会したときに言ってもらえるように。 「さよなら。また会おうね、お母さん。みんな……」  もう心に寄り添っていた家族とはお別れ。でも、もう怖くない。寂しくない。  これから寄り添う新しい誰かを見つけるために、ちょっとお別れするだけ。  でも、遠いどこかからでいいから、見届けててね。
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