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「まあ英語は満点だったけどさ……他がちょっと……」
少々悲しそうな顔をしながら綾斗も点数一覧表を取り出した。なんとなくかぶりついて見るのは失礼な気がしたので、ちらっと横目で見て僕の点数と比較してみた。
……確かに、英語以外は結構良くなかった。まあ、全体的に平均点よりちょっと下くらいって感じかな?
そうは言っても、英語ができるだけで相当すごい人だ。
「僕は綾斗が羨ましいよ」
なんとなく、本心を口にしてみる。
「うおっ、何だ急に」
「だって僕は別に英語が喋れるわけでもないし、ただ点数を取るための勉強をしたからある程度できたってだけ。多分半年もしたらこんなの忘れるだろうし……」
まあ、テスト勉強なんてそんなものだ。日常で使わない数学とかなら、もしかしたら数週間もすれば忘れてしまうかもしれない。
「俺は霧夜が羨ましいけどな。その何でもできる脳と体、どうなってんだ?」
「何でもできるなんておおげさな……」
「いや、そうは言ってもお前が全くできないものなんてないだろ。何でも要領よくこなしちまってさ」
「うーん、確かに聞けば大体分かるってのは多いけど……」
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