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ラサ:リーム! オレを飛ばしてくれ! 早く!
オレの意図を察したリームが滑空してくる。
リーム:わたくしを連れてきて良かったでしょう?
飛竜の脚を掴み、ゲボルグの元へと飛ぶ。
ラサ:うまくすり抜けてくれよ!
行く手を阻もうとする帝国飛兵は、チャオとランテが撃ち落としてくれている。
心の声ラサ:ここでもう一発喰らったら、義勇軍は瓦解する。
だが大魔法というのは、早々連発できるものではない。
ゲボルグ:何をやっている! しっかり守らぬか!
魔法の詠唱を中断し、帝国兵を盾にするゲボルグ。
ラサ:逃がすかよ!
飛竜から飛び降り、帝国兵を切り伏せ、ゲボルグへと肉迫する!
ゲボルグ:若造が!
ラサ:‥‥くっ!
ゲボルグの放った魔法の矢が肩口に命中するが止まらない!
ラサは愛刀を鞘に収めつつ、疾駆する!
ラサ:奥義‥‥瞬剣流星斬!
踏み込んで居合一閃!
ゲボルグ:ぐああぁぁっ! き、貴様‥‥!
大きく切り裂かれるゲボルグだが、絶命には至らない。
肩口の傷が、ラサの剣を鈍らせたのだが、間髪入れずに追撃を繰り出している!
ゲボルグ:我が輩にこれほどの傷を負わせるとは、何者だ‥‥?
だが、ラサの放ったトドメの一撃が空を斬っていた。
ゲボルグの姿が、かき消えていたのだ。
心の声ラサ:瞬間転移魔技か‥‥!
ゲボルグ:今回の所は退いてやる、名を聞いておこうか。
どこからともなく、ゲボルグの声が響く。
ラサ:アイザス義勇軍司令官ラサ、それがオレの名だ‥‥!
ゲボルグ:ラサ‥‥忘れんぞ‥‥!
撤退する帝国軍だが、アイザス義勇軍も追撃する余力はなかった。
ラサ:本国に伝令を‥‥帝国軍は撤退、国境の警備を頼むと。
伝令兵に指示を出す。
リーム:ラサ、無理しないで。ひどい傷だわ。
ラサ:ありがとう、指示が終わったら休ませてもらうよ。
心配そうにラサの手当てをするリームに笑顔を見せる。
ナレーター:こうして義勇軍は、戦死・重傷が半数以上という被害を出したが、辛うじて帝国軍の撃退に成功したのだった。
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