ひょんひょろ侍。此の国・人物事典。

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【茅野家】 表貫高[九万二千貫](四万六千石)を所有する、此の国きっての名家。 直系の長女子は代々「飯井槻(いいつき)」を通称に用い、此の国一番の神社である「香也乃大宮(かやのおおみや)」の最高神職である「祭酒(さいしゅ)」を、古代より朝廷の命にて勤めている。 また茅野家の長女子は所謂(いわゆる)[香也乃の神]の依代(よりしろ)でもあるのだが、当世の依代であられる現・飯井槻さま(いわ)く、特段これと云って神通力もなければ、特になんの御利益も当人にはないらしい。  本拠は茅野郡に所在する平安時代から変わらぬ佇まいの『(あお)紫陽花館(あじさいやかた)』。本城はその裏手にある乳房のようにこんもりした神山『飯井槻山(いいつきやま)』の山容を崩さぬように築かれている小城『飯井槻山城(いいつきやまじょう)』である。
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