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「きた・・・・・・」
それは、窓をたたく雪に埋もれてしまうほど、小さなつぶやきだった。
振り返って、そのまま凍りついてしまった。
不安、苦悩、焦燥。それらをすべて飲み込んで、一色の感情にまとめてしまうほどの、怒り。
ミズ姉の顔は、血をすべて抜かれたように、真っ白だった。
それも、青ざめているのではなく、怒りで。
呼吸もできなかった。
今までに、これほど怒気に包まれたミズ姉なんか、見たことがない。
カチ
時計の針がまた動いた。
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