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ミズ姉の気迫に圧倒されている間に、いつの間にか時計は、2時1分前を指していた。
なにがあるわけでもないのに、心臓が飛び上がって、眠気が一瞬で払拭された。
急に五感が鋭くなった感じだった。
雪の砕ける音、息が入り、出て行く呼吸の音。
不規則な心臓の音。
普段は聞こえない、かすかな秒針の音まで聞こえる。
あと30秒。
ミズ姉が吐き出すような声も、耳に痛いほどだ。
__突然、地面が柔らかくなって、足下が陥没した。
いや、世界が歪んだわけじゃなかった。
歪んでいたのは、鏡の中の、僕らだった。
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