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シャボン玉にうつったもののように、鏡の中の二人がぐにゃりと歪む。その姿は、おぞましいものでもなく、美しいものでもなく。
ただ、不思議なだけだった。
呼吸さえ、止まってしまう。
「・・・あと、十秒。」
ミズ姉のかすれ声が、時計の音に重なった。
カチ
カチ
カチ
カチ
あと、五秒。
そう思った瞬間、ふっと鏡の中から姿が消えた。
「え・・・。」
「そんな、まだ、あと・・・。」
カチ
あと二秒。
カチ
カチ
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