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そして、気がつくと、目の前に突如、髑髏ーー人の頭蓋骨が現れた。
「きゃあっ!」
レイトは思わず、後ろへ身を引いて、両肘を曲げて、胸の前でクロスさせた。
「ちょっと、グロテスクすぎるんだけど……」
(肉体持ってないあたしには、無縁のものなのよ、これって。
何回見ても、慣れないわね。
何で、こんなものがあるのよ? ここに)
朝焼けの空に映し出された、空間を見た。
四角く切り取られた窓が、空間の一面に広がり。
反対側には、闇を少しともなった窓がある。
その間には、広く四角いテーブル。
銀の細い水道がついていて。
その周りには、丸い木の椅子が綺麗に整頓されていた。
「正確にはわからないけど……煌彩高校の理科室?」
(学校行ったことないけど、たぶんそうね。
ネットで調べたのと、似てるわよ)
レイトはパチンと指を鳴らして、学校の正門前に移動した。
「ここからは、歩きね」
(これ以上、別の場所に行ったら、それこそ、時間に遅れちゃうから~)
そこで、美容と健康を気遣っている、女言葉を使う、レイトは歩き出そうとして、
「そういえば……あたし、全然寝てないわね。お肌ボロボロになっちゃう、いや~ん!」
野太い、なよっとした声が、朝焼けの空に吸い込まれるように響いた。
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