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「どこ~? 闇雲に探すの嫌だから、使っちゃう~」
レイトは右の人差し指を、額に当て、目を閉じた。何かの景色がふと、水晶に映るように、浮かび上がった。
「え~? ちょっと、待ってよ。これもずれちゃってるの?」
鮮やかな赤髪と、整った顔立ちを見つけて、レイトはその場で悶え苦しんだ。
「いや~ん、セリルちゃんの寝顔見ちゃったぁ~! 何年ぶりかしら? 今から襲いにいっちゃおうかしら?」
自分の目的を忘れて、王子ゲット作戦に変わりそうになっている、アメシス王子。その場で、BL妄想。
(一緒のベッドに入って……。
色々、触って……起こして……。
『何だよ?』とか、聞かれちゃって~。
『え~、いつもと感じ違うじゃな~い?』 って言って。
いつもの、セリルちゃんだったら~、『何だって?』でしょ。
真剣な時って、言葉遣い変わるのよね~。
そのまま、抱き寄せて~。
唇に近づいてーー)
そこで、神ーー悠の声が割って入った。
『レイトも記憶、消し欲しいですか?』
レイトは斜め上を見上げて、
「ずいぶんスケールの大きいパワハラね、あんた」
(想像ぐらいしても、いいじゃな~い)
神に文句を一言言って、ルーの部屋から、アメシス王子は出ていった。
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