Last resort

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「『はい』じゃないわよ! あたしが魔法をずっと使わなくちゃいけないってことじゃないの~。その間、狙われたらどうすんのよ?」 (フレナスにバレたら、あんた、それこそ、世界崩壊しちゃうじゃないの。  それから、守るには、あたしの魔法が必要ってことでしょ?  そこに、あの男が攻撃してきたら、あたし一人じゃ防ぎきれないわよ。  あんた、あたしを殺す気ぃ?)  悠は穏やかな笑みで、こんな言葉を口にした。 「大丈夫です。レイトは死にませんから」 (そこは、きちんと計算してます)  レイトは軽く腕組みして、言い返す。 「あんた、あたしの過去を、その笑顔で、よく利用するわね~」  (肝が座ってるわね、あんた) 「はい」 (おそらく、序盤は狙ってきません。サンドル ガルディーたちは)  平然とうなずき返してきた悠を前にして、レイトは小言を言うのをやめ、真面目な顔で、 「ルーちゃんとこが、あの女と一番関係してるのよ。それはどうすんのよ?」 (記憶がないってことは、王子の仕事するわよ、きっと。  そしたら、使命のひとつが果たせないじゃな~い。  オリヴィーンの血族の、ルーちゃんが解決しないと、戦いに負けちゃうでしょ?) 「そちらは、大丈夫です」 (あの者は、できます)  レイトは長年の付き合いがあるルシアの特徴を思い出して、 「それって、国民全員、殺すってこと?」 (ルーちゃんするわよ、それ。  自分に対しても、悪に対しても異常なほど厳格だから~) 「それもあるかもしれませんね」  悠はにっこり微笑んで、大きくうなずいた。レイトは神をまじまじと見つめて、 「あんた、母性がずいぶんあるわね」 (ルーちゃんのこと、何でも包み込みそうな勢いね)  戦術の説明がひと段落したところで、レイトはうず高く積まれた未来の可能性を見上げて、 「でも……」  アメティス王子のアッシュグレイの瞳が不意に陰った。 「……でも、それでいいのかもしれないわね、ルーちゃんには」 (悔やんでたものね、五千年前のこと。  思い出さない方が、幸せよね、きっと……) 「はい……」  悠はどこかぼんやりとした瞳で、返事を返し、もうひとつ、
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