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(…はぁ)
あの男が誰と浮気してようが私には全く関係ない。
むしろ、他所に好きな人を作ってくれたほうが都合がいい。
だけど、よりにもよってなんで穎川泉なのよ。
あいつ、彼女の置かれてる立場解ってるのか? あそこは恋愛禁止どころか、穎川泉は、ホワイトハニーで不動の人気ナンバーワン。
そんな彼女に手を出すなんて…あの男はバカなの!。
いやぁちょっと待って!
なんで渚君? 私の旦那が七瀬龍治って知ってるの?
そもそもコレ、いつ録音したの?
樹利亜は、急に恐怖を感じ、ICレコーダを地面に投げつける。
すると、その衝撃で再び音声が再生され…
『…俺が、本気であんな餓鬼を好きになる訳ないのに。あの女、本気で俺の事好きになりやがって。まぁ? 好きになってくれたら、いいように利用させて貰うけど』
(何なのコレ? あいつ、彼女の事愛していない。それどころか自分為に彼女の存在を利用しようとしてる?)
「…穎川泉は、七瀬龍治の事が本気で好きなのに、七瀬龍治は、そんな彼女の気持ちをもてあそんだ。それ以上に、彼には、樹利亜さん。貴方と言う愛すべき奥さんがいるのにも関わらず他の女性と関係を持ち、その女性の気持ちすらもてあそんだ最低なクズ野郎。樹利亜さん。貴方は、本当に七瀬龍治の事が好きなんですか? 愛しているんですか?」
「…なな渚くん!」
(かかか顔が近い!)
樹利亜の今日の服装は、胸元が少し透けて見える黒の花柄のレースのワンピース。
職場では、仕事の関係上、スーツ姿でいる事が多い。
なので、最悪の場合、彼に下着を見られてしまう場合がある。
そうならない様に、樹利亜は慌てて下着を隠す。
すると、その様子に気づいた渚が…
「ごごごごごごめんなさい!」
と謝りながら樹利亜から離れる。
「私なら全然大丈夫だから…ねぇ?」
樹利亜は、渚にもう気にしてないと告げる。
それに、このままいくとなんだかやばい方向に行ってしまいそうな気がする。
「本当にすみませんでした。あの? お詫びと言ったらなんですけど…よかったらこれをどうぞ?」
渚は、樹利亜にお詫びと言う形で一枚の名刺を渡す。
「柿谷霧矢さん? 誰ですか? この人?」
「貴方に、少し早めのプレゼントをくれるサンタクロースです」
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