1人が本棚に入れています
本棚に追加
タカシとはLINEで知り合い、個人チャットをしながら、最初は楽しくスタンプなどをして盛り上がっていた。しかもタカシとは生年月日から血液型まで同じ。ユウコはタカシに運命を感じていた。ユウコの話を伺っているうちに、A子さんは嫉妬の感情が沸き起こってきた。ユウコに運命を感じているのは私だけよ。何よ、ユウコったら。余りにもタカシのことを話すので、それならタカシとのツーショットの写真か何かないの?あったら見せてよ。そう懇願した。そのタカシって男がどういう男なのか品定めしてやろう、A子さんは内心そう思っていた。しかしタカシとの写真は無いという。LINEで知り合っただけで実際には会った事も、顔すら知らないという。
A子さんは呆れながら、会った事も無い男によくそれだけ運命を感じられるわね、そう皮肉った。
しかしユウコは構う事なくタカシから以前こんなメッセージが来たという。
親父が借金した
親父に女がいるらしい
親父がお袋を殴った
ユウコは少々うんざりしていた。
絶えずこんな事ばかり送ってくるタカシに対し、適当に返事を送っていた。
そしてある時。
親父がお袋を殺した
次は俺が殺される
そうなる前に俺が親父を殺す
はっ?何よこれ。
意味がわからなかった。タカシは一体何を言っているの。
冗談は止めて
そう返信した。それからタカシが既読無視をする様になった。
いくら返事をよこす様に言ってもスルーを続ける。
だからタカシに死ねと送ったのだ。
A子さんは何と言っていいのか正直わからなかった。
タカシの悪い冗談じゃないの。
そう言うしかなかった。
ユウコもA子さんと思いは同じだった。
それから暫くして、タカシから通知が来たという。
メッセージを見たユウコは目を疑った。そこにはこう書いてあった。
アツイ
タスケテ
え?何?熱い、助けて?何なのこれ?
悪い冗談止めて
そう返信した。
そしてまたタカシがスルー。
ユウコは何をどうすればいいのかわからなかった。
助けてくれと言われ、どうすれば助けられるのか。
ユウコは直感した。タカシはお父さんに殺されたんだ。
あのメッセージは本当だったんだ。
どうすればいいの
タカシにメッセージを送った。
無視をされても構わない。
今タカシと繋がっていなければ一生後悔する。ユウコは自然と涙が溢れ、泣き続けた。
最初のコメントを投稿しよう!