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高校生にもなって、髪も染めずに自分の好きなものを写真に収めていく彩香の姿は、見る人にとっては無邪気に映るだあろう。 でも俺からしたら、ただの幼馴染でそれ以上でもそれ以下でもないんだが。 「そういえば俺、今日ヘンな夢を見たんだった」 「よぉーし、じゃあねーブッチーまた会った時にはヨロシクー」 ヒラヒラと手を振り、野良猫――通称ブッチーと勝手に彩香が呼んでいるのだが――と別れて、俺のところへ戻ってくる。 「ヘンな夢ぇ?アンタのことだから、超巨大なでっかいプリンに押し潰される夢とか?」 「それは、夢じゃなくて、現実で起きて欲しいな」 「違ったかーそれじゃあ、ヘンな夢って何?」 俺の妄想で話がそれる事を事前に予知し、彩香は無理やり話を戻す。 「あぁ、なんか。俺がいつものように河川敷で走っていたら、後ろから襲われる、っていう夢だ」 「あたしならともかく……男のアンタが襲われるって、それはおかしいわね」 「さりげなく自分を可愛いアピールするなよ…えっと、それで何とか襲ってきた奴を見たんだけど、赤い刀?を持ってたんだ」 「赤い刀ぁ?」 うわぁ、すっげぇ胡散臭そうなものを見る顔になった。 「そんなの現実にあるわけないじゃない。ゲームのやりすぎじゃない? それともお得意の刀の豆知識ーみたいなやつ?」 「マテマテ、さすがに俺もゲームと現実世界の区別ぐらいできてるって」 「まぁ夢ってよくわからないものが多いよねーそれにさ、夢の内容って見えない世界からのメッセージーとかって言わない?」 こいつ、俺の話を全然聞いていない。 「ところでさ直哉、最近この近所で起きてる事件について、何か知ってる?」 いや、そもそも聞く気がないとみた。 「近所で起きた事件っていうと……最近、美人な転校生が来たってやつか?」 仕方がないから、話を合わせることにした。ふふっ、俺ってば大人だ。 「それは学校の事件でしょ! そうじゃなくって、あたしが言ってるのは神隠しの方よ!」 「神隠し……なんだ、そりゃ?」
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