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そんな大事件があったのなら、テレビや新聞でも話題になっていると思うが、本当に知らない。
「そういえば、あんたポケベルも持ってなかったもんね。ホント、昔っから興味のないことには無頓着だこと」
「おいおい言ってるくれるじゃないか。俺だって剣道や刀、甘いお菓子に関しては食いつきもするさ。だけど、俺とは全く関係のない事件やポケベルを話題にされても……なぁ?」
「そうね、あたしも学校のテスト範囲や最近のヒット曲とかそんな話をされても、あんまり興味はないかな」
「いや、テスト範囲には興味持とうぜ? それよりも、その神隠しって、どういうのだ?」
聞くと、綾香は自慢げに神隠しについて、説明してくれた。
途中で俺に対する説教とか文句が混じるが、そこは軽く聞き流し、概要だけを漏らさずに聞く。
「ホント、つい最近なんだけどね。今のところ2件起きているみたいなの。最初に消えたの女性の旅行者で……もちろん現場はあの「杜雅櫛神社」よ!」
「杜雅櫛神社か……やっぱり、あそこには何かがあると思ってたんだよな」
「でしょ、あたしもそうだと思ってたのよねー」
俺たちが通う学校の近くに、いかにも何か出ますって感じの怪しい神社がある。
家とは反対の方角にある神社は杜雅櫛神社という。
正直そういうのには全然興味がなくて、俺の中では怪しい神社があるな、ぐらいの認識だ。
あと俺は高校生にもなって幽霊とかを本気で信じているタイプじゃない。
だけど、あそこの神社には何かがある。そう思わせるだけの雰囲気は絶対だと確信している。
実際に何かが起きたという事件はまだ聞いたことはないが、とにかくそういうことがある神社には必ず何かがあるのだ。
「今のところ分かっているのは、直哉がいつも寝る前にランニングしてる河川敷から、杜雅櫛神社までの間で事件が起きてるんだって」
彩香の話は続く。
最初の失踪者は杜雅櫛神社にあるジンクスについて調べていたらしい。
物好きな旅行者もいたもんだ。神社なんて、別に珍しくないと思うんだが。
そして、その後の行動は不明だが、調査後に行方不明となった。
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