7人が本棚に入れています
本棚に追加
夢と、現実。
最近はずっと、同じ夢を見る。
___気が付くと、息を切らして走っていた。
「はぁっ……はあっ……」
幼い私は、短い足を懸命に動かしながら、足場の悪い山道を走っている。
前には今の私と同じくらい幼い男の子が走っていた。
追いかけなくちゃ。
どこからか湧いたその思いで、追いかける。
「楓ちゃん、もう少しだよ」
男の子が足を止めずに振り返り、先を指差す。
男の子の顔には何故か靄のようなものがかかっていて、よく見えない。
「待ってよ、○○くん!」
「早く早く!」
私が男の子の名前を呼んでいる。
なんて言ったのがはよく覚えてない。
「ほら、ついた!」
立ち止まって弾んだ声を上げる。
少しして男の子に追いつく。
そして男の子が声を弾ませたモノが目に入る。
「わぁ……っ」
幼心にとても、ワクワクした。
それは___
最初のコメントを投稿しよう!