夢と、現実。

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夢と、現実。

 最近はずっと、同じ夢を見る。  ___気が付くと、息を切らして走っていた。 「はぁっ……はあっ……」  幼い私は、短い足を懸命に動かしながら、足場の悪い山道を走っている。  前には今の私と同じくらい幼い男の子が走っていた。  追いかけなくちゃ。  どこからか湧いたその思いで、追いかける。 「(かえで)ちゃん、もう少しだよ」  男の子が足を止めずに振り返り、先を指差す。  男の子の顔には何故か(もや)のようなものがかかっていて、よく見えない。 「待ってよ、○○くん!」 「早く早く!」  私が男の子の名前を呼んでいる。  なんて言ったのがはよく覚えてない。 「ほら、ついた!」  立ち止まって弾んだ声を上げる。  少しして男の子に追いつく。  そして男の子が声を弾ませたモノが目に入る。 「わぁ……っ」  幼心(おさなごころ)にとても、ワクワクした。  それは___
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