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_____翌日。
40代の上司達がよく使う言葉を借りれば、所謂
“華金”の今日。
大抵金曜日の仕事終わりは同僚と飲みに行ったり、同じように上京してこっちで働いてる学生時代の友達と食事したりして過ごすことが多いから毎週金曜といえば朝からルンルンのはずなんだけど…
「ふぁ~……」
会社の顔である受付嬢だというのに、出勤早々欠伸が止まらないのには理由がある。
昨日の帰り道、余計なことを思い出していた所為でギリギリ終電を逃すという大失態をしてしまい、そんな時に限ってタクシーが全く捕まらず…
歩いて大通りまで移動して漸くタクシーを捕まえた頃には既に午前1時を回っていた。
そういうわけで今日は寝不足なのだ。
「音羽、11時に会議室予約してくれた?」
「あ、ごめん菫。忘れてた…今すぐするね!」
うちの会社は、受付だけでも二十人以上いるような大企業だ。
仕事内容は、受付全般はもちろんのこと会議室や役員専用フロアなどでお客様の対応をしたり、お茶出しをしたり。
こうやって会議室の予約や片付けもして、時にはデータ集計などの事務仕事もある。
それだけではなく、例えば取引先のお偉い様が約束の時間より早くいらした場合、時間まで接待を任されるのもうちの会社だと受付の役目。
数え切れないほどいるお客様の顔と名前を覚えるのは本当に大変で、言葉遣いや立ち振る舞いにも気を付けないといけないけれど、重要な役割を任されることも多いこの仕事にとてもやりがいを感じている。
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