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部屋に戻ると朝と同じく携帯が鳴っていて、すぐに切れた。
シャワーをしている間も2、3分おきに鳴っていたらしく、不在着信の表示がズラリと並んでいる。
全て須田さんからの着信だった。
ちょうどいい。
もうすぐアパートを出てそっちに向かうことを告げようと、こちらから掛け直した。
『アキ…やっと繋がった』
『…ごめん。ずっと電源切ってたから』
『そうか…』
『パーティー始まってる?今から支度して行こうと思うんだけど』
途中、花屋によって小さな花束を買おう。
柄にもなくそれを二人に渡して、心から祝福して。
面と向かっておめでとうと言える自信はないけど…
沙耶には傷つけたことをちゃんと謝りたい。
謝らないといけない。
もう一度、あの笑顔を見たかった。
好きだけど…好きだから、こそ。
やっと見つけた温かい居場所、恭弥の隣で幸せそうに笑っていてほしいと願う。
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