愛、散りゆく【コミカライズ原作】

愛、葬る

「でもすみません。当初予定してたお店じゃなくなってしまって。ちょっと段取り悪かったなって反省してます」

「菫ちゃんってば謝らなくていいのよ。気持ちが嬉しいし、なによりこのお店、また行きたいと思ってたの」

「ここ、お洒落だし女子会にはもってこいですよね」

本来であれば、会社の近くにオープンした和食バーに行くはずだった。

でも大盛況のようで全く予約が取れず、由希子さんに意見を求めた結果、柴崎さん達との合コンで利用したイタリアンレストランに変更することに。

たしかにここは雰囲気も料理の味も良いのだけど…あまり乗り気じゃないのが本音。

彼と出逢ったこの場所は、私の心を重たくする。

もう三ヶ月も経ったと言うべきか、
まだ三ヶ月しか経っていないと言うべきか。

どちらにせよ、思い出にするには日が浅すぎて想いは捨てきれないままだ。

時が経てば、この気持ちを葬ることができるのだろうか。

今はまだ、そんなことも考えられない。