愛、揺れる

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──────── ───────────── ───────────────────… 薄っすら目を開けると一番に目に飛び込んできた天井は、さっきと同じく揺れていた。 霞んで見えるけど…見慣れているから何となく分かる。 これは自宅の天井で間違いない。 「うー…気持ち悪…」 頭はガンガン痛み、みぞおち辺りは焼けるような感じがする。加えて全身の怠さまで。 「はぁ…」 これは紛れもなく二日酔いによる不快感だと確信すると、ため息が零れた。 最悪な気分だ。 あれ…そういえば。 私、あれからどうしたっけ? ぼやーっとした視界と思考の中、必死に記憶を辿ってみるも全く思い出すことができない。 思い出せるのは最後に見た揺れる天井だけで、どうやって帰って来たのかすら覚えていない。 結局あの後どうなったかも分からないし… やっぱり最悪だ。
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