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……
石原さんは両親と同居しており、
その隣家が火事になったそうだ。
「ええっ、貰い火?」
「うん、そうらしい」
「石原さんの家も燃えちゃったの?」
「ああ、ほぼ全焼だって」
数十年前までは所謂ニュータウンと
呼ばれていた建売住宅の集合地。
隣家とかなり密接している為、
その周辺にもアッという間に
燃え広がったそうだ。
「そ、そっか…」
「土地は彼女の父親名義だから、
早急に建て直すことにしたそうだけど、
それまでの仮住まいがさ。
そんな急には見つからないだろ?」
「そりゃそうだよね」
「で、取り敢えずマンションを借りる迄、
仮住まいの更に仮住まいを探してて…」
「な、なるほど…」
「ご両親の方は近所の人の厚意に甘えて
暫くはそこで居候するそうなんだ。
でも、さすがに『娘も一緒に』とは
言い出し難いらしくてさ」
>ダメですか?やっぱりダメですよね?
>ああ、これでもう全滅だわッ!
電話の向こうが妙に騒がしい。
どうやら光正は今、
石原さんと共に営業の外回りをしていて、
その最中に悲報を受けてしまったようだ。
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