16.三人目のパートナー

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説明は私がするまでも無く、 その直後に玄関チャイムが鳴り。 『まさか…』と思いながら ドアスコープを恐る恐る覗くと、 そこに光正が立っていて。 ドラマとかだと顔のドアップだけど、 普通は結構離れて立つから 上半身くらいまでは視界に入るんだよな …などとどうでもイイことを考えていた。 ドアを開けると同時に私は言う。 「早かったね」 「実は最悪、俺のところに泊めようかと。 だから取り敢えずココに向かってたんだ」 「そっか、さっきの電話てっきり 外回り中なのかと勘違いしてたわ」 「ごめん、どこから電話を掛けてるか 教えれば良かったな」 そう詫びながら光正は、 さり気なく石原さんを前に押し出した。 「…あのっ、営業部の石原梨乃ですっ。 暫くの間、お世話になります」 「商品管理室の井崎です。 そんなに恐縮しなくていいのよ。 さあ、取り敢えず中に入って」 当たり前だけど、若さとは素晴らしいな。 お肌は陶器みたいに滑らかだし、 どこもかしこも光輝くようにツヤツヤだ。 世間一般で言う 『女は若ければ若いほど良い』は、 あながち間違いでも無い気がする。 酸いも甘いも知った妙齢女性よりも、 苦労知らずで純粋無垢な女子の方が 一緒にいて気を緩められるからだ。
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