5人が本棚に入れています
本棚に追加
/216ページ
解放される。
「西遊記・・・ですか?あれは仏教ではない?」
「道教と仏教が混じってるの。日本の神仏混交みたいにね。」
「さて、今は下界か。中村君、後ろ向いてくれるかい?名前を呼ばれたら振り向くように。」
「はい。」
身体の向きを変える。
「行くよ~?猪八戒。」
振り向くとまた動けなくなった。
「道士たち、半分私で、半分は彼自身。面白がるんじゃない。」
「申し訳ありません。元帥。」
呪縛が解かれる。
「清くんって緊箍児つけてなかった?」
「きんこじ?」
「頭につけらされてる金輪。」
「さぁ?汗っかきなんだよといってバンダナのようなものを何時もつけていました。」
「何かあったら神戸に来なさい。」
「横浜の方が近いっしょ?」
「腑抜けた道士に任せられるか。」
「え、それ酷い。」
それから来る日も来る日も辻占の夢は出てこなかった。
もともと、たまに出てくる夢なので期待はしていなかった。
5日後
やだなぁと思いながら粉屋の自動ドアを通過する。
「あの、すいません。」
「また君か。何度こられたって君の所には卸さないよ。」
後ろから作業着を着た男性が来た。
「待ちたまえ。その方は?」
「あ、新しくフォーチュンクッキーとキツネ煎餅を焼くのに粉が欲しいんです!小さなお店ですが頑張りますのでどうか粉を売ってください!」
「ほう。来たまえ。」
ついていくと事務室。
腰掛ける男。
「さぁ、腰掛けて。私は渡辺。話を聞こうじゃないか。」
男は今日、赴任された新しい工場長だった。思いをぶつける
「卸そう。私は最初、小さなお好み焼きから始めてね。私も粉には困った。協力しようじゃないか。これもご縁だ。」
「あ、ありがとうございます!」
お礼を言って出る
槙田さんに電話をする事にした
「あの、槙田さん居ます?・・・槙田さん!粉、引き受けてくれましたよ!風水って凄いですね。え?あ?砂糖?近くに業務用スーパーがあるので、そこで買おうかと。え?ダメなの?伊藤忠製糖株式会社?あ、はい。電話してみます。中双糖ですね。わかりました。」
最初のコメントを投稿しよう!