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翌日玉子屋さん。
「ごめんください。」
「いらっしゃい。」
「たまごを卸して頂きたいのですが。」
「あらー。いくつ?」
「手始めに500。軌道に乗ったら1000くらいです。」
「あらーあらあら。」
「どうしました?」
「ここ、都会でしょ?買いに来る人減って、店を閉めるかねって話をしてたのよ。」
「こ、困ります。卵煎餅じゃなきゃダメなんです!」
「そうなの?」
「ご検討ください。東中野の銀座商店街の一角です。」
「近いわねえ。」
「お願いします!」
「いま、旦那がいないから。」
「携帯番号、置いていきます。ご連絡ください。」
おい!風水!どういう事だ!
夜
着信が鳴る。
「はい、中村です。ほんとですか?!ありがとうございます。」
『主人がやる気になっちゃってね。求められてるなら運ぶしかねぇ!って。ご縁は大事にしろって。いつから必要?』
「明日からでも大丈夫ですか?」
『お父さん!明日からだって!・・・任せて頂戴!』
「よろしくお願いします。」
風水万歳!
おいなり煎餅の型は揃った。
備長炭、コンロが揃った。
粉も揃った。
砂糖も揃った。
辻占のオーブンもばっちりだ。
辻占の中身の紙を書く。
夜遅く就寝した。
翌朝朝一番に産み立てたまごが届いた。
「辻占の粉と砂糖の配合は・・・・。」
夢でなんども見ている。
「で、キツネ煎餅がえっと・・・・。」
部屋にオーブン、備長炭、クソ暑い。
焼きあがった。粗熱を取る。
カウンターに誰か来た
「卵あまってませんか?!」
商店街の最後の角のパン屋さん。
「えっと・・・卵白ならあるよ。」
「譲ってもらえませんか?」
「黄身、ないけどいいの?」
「かまいません。」
厨房に戻っり卵白を取りに行く。ダッグワーズを大量に焼くつもりだったが、これもご縁だ。俺は今、ご縁で生きている。
「このボールが6個。なんこ持っていきます?」
「全部!」
かなり急いでいるようだ。
「わかりました。運ぶの手伝いますよ。」
「何か商品持ってって!あとでボウル洗って返すね。」
「はーい。じゃぁ、朝ごはんがまだなのでこのピザトースト頂きます。」
「どうぞ。あと、卵ってどこで卸してる?足りないのよ。無連絡で卵がこないの。」
「いくつ?」
たまご屋さんに電話をかける
電話を替わる。
なんとかなったようだ。
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