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俺は怖くなって神戸の道士様に連絡した。
『加冠と進禄が反応した?今すぐ、横浜の道士を向かわせる。飛行機も新幹線も間に合わない。今日は横浜の道士と過ごすんだ。私は明日、朝一番でそちらに向かう。』
1時間ほどで横浜の道士様が来てくれた。
家に入った瞬間。
「獣臭い!」
「え?うそ?衛生管理は徹底してるけど?」
「あーあ。加冠と進禄がこんなんなっちゃって。」
ぺら~んとぶら下がる護符
「相当、執念深いね。いつから?」
「一週間くらい前から。」
「ふ~ん。なんでそんなにお煎餅が欲しいんだろうね。あ、美味しー。たまごたまごしてる。」
とりあえず、お茶をしている。
「八戒、寝なよ。辻占の夢、みれるかもしれないし。明日、神戸の道士様くるんでしょ?徹夜して見張るよ。」
寝ても、夢はみなかった。
作業場のテーブルに腰掛ける。
「徹夜でありがとうございます。夢はみませんでした。」
「そっかぁ残念。てか、ずっと獣臭いんだけど。」
「何も飼ってませんよ?」
「そう?」
お昼ごろ、神戸の道士様が到着した。
「八戒、大丈夫か?!」
「今の所、問題ないです。」
看板を下げ、お昼休みにする。
「獣臭い・・・。」
「神戸の道士様まで。何も飼ってませんて。」
「でも、臭いよね~。」
「八戒は何も感じてないんだな?」
「煎餅の甘ったるい香りしかしません。」
「夜まで待つしかないな。」
19時
「道士様、来ました!」
「この気配。物の怪だな。」
「すっごい執念。でも悪いものではないねー。どうしたんだろう?」
「あほかお前は、死霊じゃないか。」
「害は無さそうって意味~。獣臭かった原因はこの子だね。」
21時
シャッターを降ろす
家に入ろうとしたら腰を掴まれたが人形の紙に変わる。
焦って家に入ってこようとする。
ダンダンダンダンっ!
凄い勢いでドアを叩く
「出るな。応えるな。」
「神戸の道士様・・・。」
「これだけ冷たくすれば、もう来ないって。」
3時間。
ドアは鳴りやまない
「俺、もう無理です。」
「「八戒!」」
「だって、こんなに一生懸命・・・それに、涙が溢れるんです。悲しくもないのに。」
「・・・・私が出よう。」
「神戸の道士様。」
俺は止めた。孟居の様に消し飛ばされるのかと思ったから。
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