清くん

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救急車で病院に。 警察も来た。横浜の道士様は発見場所を案内しに警察官と行ってしまった。 「さて、こんなに小さいのにどこから神仙の情報を入手したのか。」 「そうですね。」 ベッドで眠る少年。 徹夜で見守って朝方、日の光が差すころ、少年は目を覚ました。 「点滴?おれ、たしか家で。」 「おめざめかい?」 「誰?」 「司馬遷は始末しといたよ。」 「え?何者だっ!」 「こっちのセリフだ!」 「まぁまぁ、2人とも落ち着いて。はい、2人ともお煎餅。」 ポリポリ 「この味・・・チャロが。」 「あの犬、チャロって言うんだね。キツネたまごせんべい。美味しいでしょ?」 「2人とも誰?」 「神戸の関帝廟の道士様と東中野の銀座商店街の『いなりや』の中村。たまご煎餅と占いクッキー売ってるの。チャロが毎日、来たんだぞ。」 「そうだ。チャロがいなかったらお前はとっくに死んでいる。」 「え?チャロは?」 「君にお煎餅を届けるために死んで、物の怪となり煎餅を運んだんだ。」 「俺の為に?」 「チャロは稲荷神社に眠ってるよ?」 「そっか。チャロ・・・ありがとう。」 「で、なぜ君は天界を求めた?」 「生きているのが面倒くさかったから?」 「チャロ、かわいそー。」 オーバーリアクションでがっかりする俺。 「煎餅屋のお兄ちゃん、これにはわけが!」 「どんなわけだ、言ってみろ!」 「まぁまぁ、道士様。」 「夢で俺、捲簾大将って呼ばれてて・・・。そこは天界で。興味をもったんだ!で東峰って人から仙人になる方法を教えてもらって・・・。」 「さみしかったのか。よしよし。」 頭を撫でる俺。 「俺、寂しかったの?」 「うん。」 「捲簾大将か・・・。」 「道士様、心当たりが?」 「下界に降りたら沙悟浄だよ。」 「え?この子、沙悟浄なの?!」 テンパる俺。 針を一本用意する道士様 少年の額に当てる 「捲簾大将様、出てこれますか?」
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