清くん

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「よぉ、天蓬元帥、いや?猪八戒か?元気か?」 俺の口が自動的に開く。また、声も違う。天蓬元帥だ。 「何をしているんですか、あなたは。馬鹿だとは思っていましたが、こんな小さい子に。そんなに天界お好きでしたっけ?」 「いや?この子はこの世のものでは無いものが見える見鬼だ。力も強い。親に気味が悪がられて見捨てられ、1週間ごとに送られてくる冷凍弁当が主食さ。捨てられたら行くしかねぇだろ?」 「この会話は筒抜けですか?」 「おうとも。」 「では、寂しいときはいつでもいらっしゃい。さとしくん。」 「あはっ。俺、泣いてる。」 「あなたじゃないでしょう捲簾大将。」 「じゃ、もどるわ。」 「今のが捲簾大将。俺たち、仲良かった?」 「わかんない。」 「そっか。」 「一緒に旅したぐらいだから悪くはないと思うよ?」 少年の目が煌めいた。 「お店の場所、教えるから、寂しかったらいつでもおいで。」 「『ありがとう。八戒。』」 「え?俺の口からまた。」 「それで良いんだよ。悟浄。よろしくね。」 それから親とは連絡が取れず、治療費も俺が立て替え 施設に預けられそうになった時、俺は決めた。 この子の面倒は俺がみる。 すんなりと要望は叶えられ、保護する事に成功した。 退院。 悟浄の家に寄る。 「着替えとか持っていくよ。」 「分かった。」 捲簾大将の関係か物分かりが良く思慮深く、大人びている。 30分 「準備出来たよ。」 海外旅行に持っていくようなスーツケースが1つ。 「それだけ?」 「うん。」 コロコロいいながら、いなりやを目指した。 いなりやに戻る途中、稲荷神社を通った。 「ここにチャロがいる。挨拶していこう。」 「うん!」
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