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「俺、眠い。限界。」
ただいま、夜の22時。
「もう、こんな時間か。」
俺は仕込みをしている。
「清くん、遅いなぁ。あ、俺、こっちの和室を使ってるから、悟浄、こっちね。」
俺の部屋とは90度右にある和室。
「あ!布団買い忘れた。今日、俺の部屋で寝て。」
「野宿なんか基本のキだったろ?大丈夫だ。」
「悟浄、今は人間界で子どもなんだから言う事聞きなさい。子どもの身体ってデリケートなんだぞ?」
「分かった。分かった。煩いなぁもう。」
「眠いんでしょ?」
「うん、眠い。」
「おやすみ、悟浄。」
布団に入る悟浄
「八戒の良い匂い~。」
か、加齢臭?!
「ちょっと!」
「いいじゃん、事実。安心するわ。」
「なら、いいんだけどさ~。臭くてごめんね?」
「ん?石鹸の香りだぜ?」
「なら良かった~。おやすみ。」
「おやすみなさい。」
0時を過ぎても清くんは帰ってこなかった。
就寝して朝の4時。
清くんはいない。
辻占をオーブンに入れて、炭を焚く。ああ!炭焚いちゃダメ!
俺は慌ててコンビニを目指した。
レタス、プチトマト、きゅうり。
ウインナー、ベーコン。食パン。
悟浄といっても流石に今は妖怪じゃないし、腹は減るし育ち盛りの子だ。
あ、MILOがある。ぐんっぐんっぐんっ!MILO
裏のパッケージを見たら7歳~8歳の栄養グラフが。
牛乳とMILOも買う。
家に戻り、炭を焚き煎餅を焼き始める。
6時開店!
7時台には激混みだが、6時台はまばらだ。
混雑を嫌うお婆ちゃん達が来る。
キッチンでベーコンエッグを作る。
「おはよう、せいちゃん、おいなりさん5枚って、忙しそうね?」
「子ども2人と生活する事になったもんで。小学生と中学生で。朝ごはん作りがね~。俺は後藤さんとこのきんぴら入ったお弁当だけでいいんですが。」
「あら、大変ね。クスッ。今度、お菓子持ってくるわ。男の子?」
「7歳と14歳の男の子です。」
売り上げ500円!お菓子屋にお菓子とは?
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