金蝉子

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「お好み焼きって、なんだかご飯みたいだね~。」 「なんかさ、第四の食事って八戒が言ってた。」 「八戒?」 おい!! 「俺。おじさんのあだ名。」 「そうなんだ?」 「おやつは大事なんだよ~。」 「どうして?」 「ん~分かるかな?朝ごはん、昼ごはん、夕飯だけじゃ栄養が足りないんだ。胃袋が小さいから。それだけ。」 「良くわかんない。」 「だろうね。とりあえず食べておきなさい。夕飯が食べれるようにお腹いっぱい食べちゃダメだよ?」 「「はーい」」 「行ってきます!」 「いってらっしゃい。」 ふぅ~、やれやれだ。 俺は『14:30~15:30 休憩中 お買い物に行ってきます』 張り紙を出すと買い物に向かった。 いつも忙しくてネットスーパーでお願いしているのだが、なんとなく行きたくなった。 「おや、せいちゃん。」 「桑原のお婆ちゃん。お久しぶりです。」 「随分、繁盛してるね。」 「手軽ですからね。ひとつ100円。」 桑原さんは和菓子屋さん。みたらし団子が最高だ。 「みたらし、3本。」 「はいよ。子どもらはどうかね?」 「元気いっぱい、泥んこで洗濯物に頭が痛いですよ。」 「いいこった。柏餅予約していくかい?届けてあげるよ?」 「え?!もうそんな時期?!」 「カレンダー見れないほど忙しいのか。アハハハハ。今日、3日。」 「12個ほどお願いします。白あん6個にあんこ6個。」 「はいよ。」 上機嫌で後藤さんの所に行く。 「後藤さん!きんぴら1キロ。」 「アッハッハッハ。まだ子どもらは味に飽きてないのかい。」 「ばかうまって言いながら食ってますよ。」
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