金蝉子

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「せいちゃーん!」 「相川さん。」 肉屋だ。 「ひき肉が余っちゃってさ、ちょっとでいいから持ってってよ。」 「じゃぁ、今晩は炒り豆腐にしようかな。」 「ハンバーグがいいな。」 「おわっと清くん!びっくりしたぁ。」 「ハンバーグだと助かるねぇ。」 「じゃぁ、今日はハンバーグ、明日は炒り豆腐。あと・・・清くん、そこのスーパーでニラ買ってきて?これお金。」 「分かった。」 見送ってから相川さんに話す。 「5月5日は子どもの日。すき焼きかステーキかどうしましょう。」 「鉄板あるのか?」 「あ~、鉄鍋しかないや。」 「じゃ、すき焼きだな。」 「美味しい所を3キロ。」 「分かった。今、払ってくれれば届けるよ。超過分はおまけ、」 「助かります。」 電卓が叩かれる 「今日の値段だとこんなもん。」 「お支払いします。」 店を出て斎藤さん 「斎藤さーん!」 「おう、せいちゃん久しぶりだな。」 「明日、入り豆腐なんで木綿を3丁。」 「おう。子どもら元気か?」 「とっても。」 「無料でやるから豆乳飲みにこいって言っとけ。」 「あはは。いいんですか?」 「もちろん。」 「じゃぁ、お言葉に甘えて毎日、おやつの時間に来させます。」 やっぱり商店街っていいな~。 帰宅した。 「はい。」 「ニラ、せんきゅー。あ!おつりでビックリマンチョコ買ってやがる!」 「うめぇんだもん。それ。」 「お、ちゃんと3つ買ってきてる。えらい、えらい。」 「今日のおやつ。なかなかの味だな。」 「お好み焼きっていうんだ。」 「へー。」 「学校どう?」 「サッカー部、クビになった。何しようかな。」 「え?!」 「監督がドリブルしたりパスしたりしろって。1人で行った方が得点とれるのに。」 孫悟空。協調性がない。 「お店、手伝おうかな。」 「帰宅部?」 「うん。」 「いや、なんかしとけって。今しかないんだから。」 「分かった。あと国語!現代文!」 「が、どうした?」 「ノートチェックがあってさ、俺、かな文字が昔じゃん?」 「まぁ、清くんだからね。孫悟空だからね。」 「ノート、読める字で書けって怒られた。」 「ちょっと見せてごらん。」 ノートを拝見する 「変体仮名だね。」 「何そのいやらしい表現。」 「先生たち、もう読めないんだ?」 「時代だな。」 「悟空、がんば。」
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