金蝉子

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迎えた子どもの日。 祝日。悟空たちは遊びにでかけた。 今日も繁盛、大繁盛! 壁には『本日17時までの営業とさせていただきます』の看板。 「お兄さん、なんで今日17時までなの?」 「子どもの日で子どもたちとゆっくりご飯するんだ。」 「そっかぁ。悟空くんも悟浄くんも喜ぶだろうねってまた小吉。」 「せめて中吉になってほしいな。そろそろ。」 「ね~。なんでだろうね~。やる気なくす~。」 「今日も一日、がんば!」 「うん!」 「こんにちは。」 腰の曲がったお爺ちゃんがやってきた。 「いらっしゃいませ。」 「お煎餅10枚。」 「湿気り早いですけど大丈夫ですか?」 「子どもの日だから孫たちがね。煎餅は食わんがたまご煎餅は喜んで食べる。」 「ありがとうございます。お孫さんたちと占いどうぞ。」 8個入りの辻占をオマケにした。 「へいて~ん。」 柏餅と肉が届く。 「何この肉!」 「超うまそう!何すんの?」 「すき焼き。」 キッチンに立って長ネギを切って白滝を切って春菊切って白菜切って。 ガスコンロ設置、鉄鍋設置。調理開始!ジュ~。牛脂が溶けてく。 砂糖と醤油をちょろっとかけて手早く焼く。 二人の卵にダイブ。 「「いっただっきまーす!」」 「なにこれ、超、美味い!」 「肉が溶けてく~。」 さてはそうとう、良い所持ってきてくれたな? どんどん焼いていく。 「野菜も食べるから。一旦ストップ。」 水と割下を入れ、肉を焼く。 「ばかうま~。」 白菜投入、春菊投入、豆腐投入、長ネギ投入。白滝は最後に。肉が固くなるからな。 怖いからご飯は一升炊きした。 三人でワイワイ。 食卓は賑やかだ。 悟浄、もとい、さとしくんも大分、慣れた様子。 良きかな良きかな。 「ん?あ!コラっ待てっ!」 テーブルから食事を飛び越えてジャンプ。カウンターの前に着地するとそのままカウンターから出た。 凄い脚力!って、何が起きてるんだ?
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